【つぶやき】
無形文化遺産にも登録された「伝統的酒造り」。地酒や地ビール、クラフトビールなど、その土地ならではのアルコールが人気になっている。
地元で飲食することは、観光の主な目的になることもあるだろう。
昨年1月に大地震、その後豪雨に見舞われた能登でも、酒蔵の被害が明らかになっている。
まだ現地に足を運ぶのは難しいかもしれないが、まずは各地でおこなわれている応援イベントを探してみたい。
【コメント】
前回、マダムから紹介があったように「伝統的酒造り」が無形文化遺産に登録された。自然や風土と結びついて、その土地ならではのお酒が造られてきた。地酒、地ビールやクラフトビールなど、個性ある味わいのアルコールが各地でみられる。筆者はここ数年クラフトビールに注目しているのだが、クラフトビールの品揃えを売りにした飲食店や、ちょっと高級なスーパーでは世界のクラフトビールを集めたコーナーを見かけることも増えてきた。製法や味にこだわって、ラベルやボトルなどにも工夫が凝らされており、飲んで楽しいだけでなく、見た目でもそのアルコールの個性を知ることができる。パッケージからどんなお酒なのだろうか?と興味をもつことも多い。
お酒それぞれのこだわりを知るのに効果的なのは、その製造過程を実際に見にいくことだ。酒蔵巡りやワイナリー見学にいったことのある読者もいるのではないか。多くの場合「試飲」が楽しめることもあり、お酒が好きなひとにはおすすめの観光ルートになっている。同じ商品であっても、そこに込められた情熱を理解したうえでいただくと、また味わいが変わってくる。さらにお酒は食事とも切り離せない存在だ。食材や調理法との相性、さらに風味など、食とお酒の相乗効果でよりおいしくなるという。お酒とあう名産を探すことで、その土地を五感で楽しむことができるのではないだろうか。これは、何かを収集するよりも、その瞬間にしか楽しめない体験に魅力を感じるひとが増えてきているという、「モノ消費」から「コト消費」「トキ消費」への消費行動の変化にもマッチする。
昨年1月、大きな地震に見舞われ、その後9月の豪雨でも甚大な被害を受けた能登では、酒蔵の被災も明らかになっている。被災した蔵元を支援するために、県内外の蔵元が製造を支援したり、石川県酒造組合連合会は「つなぐ石川の酒」というプロジェクトをおこなっている。これは、色違いのラベルを貼った能登の復興応援酒18銘柄を発売し、その売り上げの一部を石川県と被災した蔵元に見舞金として還元するものだ。災害からの復旧・復興のためには寄付やボランティアはもちろんのこと、地元の産業の回復が重要になってくる。約1年たった今でもなかなか復旧が進んでおらず、歯がゆい状況が続いているが、復興に向けて各地で能登の名産品を取り扱ったイベントなどがおこなわれている。お取り寄せや近隣のイベントに参加することも、復興への一助になるのではないだろうか。
《執筆:ヒメ》