【つぶやき】
夏休みの楽しみのひとつとして「お祭り」がある。
毎年地域のお祭りに出かけるのが恒例というひともいるだろう。
しかし、近年は担い手不足などで存続が難しくなっているようだ。
また、「○○フェス」のようにかたちを変えたイベントも広がってきている。
【コメント】
「お祭り」といってイメージするものは何だろうか。たとえば、縁日や盆踊り、お楽しみ抽選会などがあるかもしれない。規模や参加人数もさまざまで、町内の集会場で開かれるものや、地域の神社などで開催されるものなど、個人個人で思い入れのあるお祭りは違うと思う。地元の小規模なお祭りでは、親戚やご近所の近況報告会のようになっていることもしばしばだ。また、文化財として登録されている伝統的なお祭りもあり、観光客として参加するひとのほうが多いお祭りもあるだろう。
ところが、毎日新聞の2024年の調査によると「都道府県が指定する祭りなどの無形民俗文化財のうち、担い手不足などによって指定を解除したり休止状態になっていたりするものが31県で計102件」もあったという。たしかに、祭りで披露されるその土地ならではの芸能などは急に受け継げるはずもなく、開催のノウハウも運営のなり手になる住人がいなければ伝えていくのは難しい。
では、「お祭り」は消滅してしまうのだろうか? 最近よく見かけるのが「○○フェス」という、何かテーマを設けたイベントである。先日、ある放送局が手掛けるフェスを覗いてみたところ、ゲームやアニメなどのブースが設置され、公開収録イベントがおこなわれていた。コスプレでの参加者も多く、個人同士の撮影会のようなものも見かけた。私自身は短時間の滞在だったためか、あくまでも「消費者」でしかない、という印象を受けた。もしかしたら、自分が出演する側になれば、祭りを支えているのだという実感が生まれたかもしれない。しかし、よく考えてみれば観光地のお祭りでも、多くの場合は「お客さん」なのだ。
いま開催されている大阪・関西万博で、7月26日に盆踊りの世界記録が生まれたという。1970年に開催された「日本万国博覧会」の催し物会場の名称も「お祭り広場」で、いま万博公園は頻繁にフェスの会場として活用されている。これまでのイメージからは変化していくとしても、まだまだ「お祭り」の息は長いのかもしれない。
《執筆:ヒメ》