【つぶやき】
最近「編み物」が流行している。
小物やバッグ、アクセサリーなどを手作りして、完成品をSNSなどに投稿するひとも多い。
インターネットで作品のレシピや編み方の解説の動画を見ることができ、気軽に始められることも人気の理由の一つだ。また編み物に熱中することで得られる効果もあるという。
【コメント】
みなさんは「編み物」をしたことはあるだろうか?ここまで大きく流行っているきっかけはあるKPOPアーティストのようだが、いまや老若男女にその熱は広がりつつある。100円均一の毛糸コーナーでは欠品も相次いでいるぐらいだ。
高価な機械や難しい道具が不要で、比較的気軽に始められるのはもちろんのこと、YouTubeなどで編み方のレクチャーがたくさん投稿されており、編み図が読み取れなくとも、作品を完成させることができる。Instagramなどでは、ハッシュタグで海外の作品も簡単に見ることができ、世界中で編み物の愛好家が増えている様子が見て取れる。他言語であっても作品の素敵さは伝わって、思わずこんな作品を作ってみたいなと思わせるような投稿も多い。また同じ形や作り方であっても糸を変えることで、自分らしいものを作り出すことができる。
先日ラジオで編み物が特集されており、その魅力が語られていた。編み物という共通の趣味があることで会話が弾むなど、編み物に熱中することで日々の世界が広がる様子が紹介されていた。(ちなみに、余暇や趣味の研究では、このようなつながりは「趣味縁」として分析、議論されている)。さらに編み物をすることでデジタルデトックスができるという話もあった。きっかけがSNSであるのと対照的だが、編み物に没頭することで手元がうまってしまうので、スマホを触る時間が減少するということだろう。
編み物に限らず、何かを「手作り」するにはそこそこ時間がかかり、自分の理想の作品にならないことも多い。しかし、何をどのように作ろうかと思案し、コツコツと作成する過程も含めて「私自身が何かを作り出していること」の実感を得ることができる。とくに編み物の場合は、一目一目をつなげていくことで、徐々に作品が立ち上がっていくことがわかりやすく、そこも今のブームの要因ではないかと推察している。ある編み物作家の方は、自身の失敗例を紹介しながら、どのような工夫をして、作品を仕上げているのか解説していた。SNSではきらびやかで素敵な投稿しか許されないような気がしてしまうが、実際は失敗談を発信しているひともいる。検索結果を自分で精査せずとも、AIが勝手に要約してくれる時代に抗う方法のひとつとして、手間と暇をかけながら「手作り」することをおすすめしたい。
《執筆:ヒメ》