#051 散歩 その3(2023年11月24日)

【つぶやき】

みなさんは日頃どれくらい歩いているだろうか。

ライフスタイルや居住地域によって状況は違っていて、車通勤であったり、在宅ワークであれば、あまり歩くことはないかもしれない。

「ウォーキング」というとかまえてしまうが、「まち歩き」であればずいぶん気軽になる。

どんなまちであれば、歩きたくなるのか考えてみたい。

【コメント】

 今月のテーマの「散歩」はさまざまな視点から語ることができる。「哲学」「健康」はもちろんのこと、マダムの「歩いて楽しい街は、余暇力高い街」との指摘を含めて考えていこう。

 スポーツ庁によるスポーツ実施率の調査では、この1年間に実施した種目として1番多いのが「ウォーキング(散歩・ぶらぶら歩き・一駅歩きなどを含む)」となっている。取り組みやすい健康法として、政策的にもウォーキングは推奨されてきた。特別な器具や設備が必要ないから、「コスパがいい」ということだ。散歩がスポーツかどうかは意見のわかれるところだが、身近な運動としてうってつけなことは間違いないだろう。

 2024年度から開始される厚生労働省の健康日本21(第3次)では、2032年度の目標歩数として「総数7100歩」が掲げられていて、その方策のひとつとして、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくり、というのがある。これは2020年度にはじめられたもので、官民が連携しながら滞在快適性等向上区域(まちなかウォーカブル区域)を整備している。活用されている場は道路、河川、公園、商店街、オフィス街、駅前広場とさまざまで、ホームページでは、各地のあらゆる事例が紹介されている

 例えば、大阪の中之島をみてみよう。美術館やおしゃれなカフェが多く、ガイドブックにもよく掲載されている地域であるが、大阪が東洋のヴェニスだった時代を思い浮かべながら歩いてみると、見え方もかわってくる。歩き回りながら楽しめるだけでなく、ちょっと疲れたときには、地下鉄やシェアサイクルも活用できる。

 歩きたくなるまちなかづくりには、もちろん歩道の整備やまちの魅力を引き出す仕組みが必要だ。ただ、歩く以外の選択肢も残されていること、少し休憩したいのニーズにも応えるもののほうがもっといい。

 結果やスピードが求められる現代では、短時間で目的地に着くことが優先されやすい。「歩きたくなる」のはその対極にあって、はじめのうちは「過程を楽しむ」と意識しなければ実行は難しいかもしれない。ウォーカブルシティに登録されていなくとも、歩きたくなるまちを目指している地域は多い。ぜひ検索窓に「気になる地名 さんぽ」と入力して、身近な取り組みを探してみてほしい。

≪執筆 ヒメ≫


Contact Us

東京都日野市百草1002-19
info@yoka.or.jp

Top