#054 クリスマス その3(2023年12月24日)

【つぶやき】

ケーキやチキンなどクリスマスの名物は、翌日になったらどうなるのだろうか。

コンビニエンスストアでの自爆買いや大量廃棄の問題も指摘されるようになってきたが、まだ廃棄はなくならず、最近はデジタルの力を借りて食品ロスを減らす試みが広がりはじめている。

限りある資源を守るために、わたしには何ができるのか考えたい。

【コメント】

 このつぶやきが掲載されるころには、もうクリスマス。マダムも書いているように、日本のクリスマスの歴史は消費社会の移ろいを描き出している。クリスマスから、今の消費社会の問題点を考えてみよう。

 クリスマスといえば…ケーキやフライドチキンだろうか? いつもはあまり購入しなくとも、せっかくの機会だから、と手に取るひとも多いかもしれない。日本各地でクリスマスマーケットも開かれており、きらびやかなクリスマスツリーを見ながら、ホットワイン(グリューワイン)を飲むのが楽しみというひともいるだろう。

 クリスマスのためにわざわざ出かけなくとも、街中のイルミネーションや飾りつけも相まって、少しはクリスマスらしいことをしなくては!と気が急いてしまうことがある。そんなとき、身近でクリスマスを楽しめるのが、コンビニエンスストアやスーパーだ。お総菜やお弁当のコーナーのとなりに、季節の限定商品が並んで、ついでにちょっと、というニーズをうまく満たしてくれる。

 ここ5年くらいで、コンビニでの自爆買い(オーナーやアルバイト店員が自腹で購入すること)や、賞味期限切れの食品の大量廃棄が広く報道されるようになった。2019年には大手コンビニチェーンが、季節商品(うなぎ、クリスマスケーキ、おせち、恵方巻など)の完全予約制を打ち出し、以前に比べればコンビニの食品ロスは減りつつあるようだ。とはいえ、2023年6月に農林水産省が公表したデータによると、日本の2021年度の食品ロスは推計523万トンにものぼるという。これは、世界で飢餓に苦しむひとびとに対する食糧支援量を上回っており、いかに日本で捨てられる食品が多いかわかる。

 最近はテクノロジーの力を活用して、消費期限切れで捨てられる食品を減らすための「マッチングアプリ」のようなものも広がってきている。そのアプリを使用すると、近くの店舗での売れ残りを調べることができ、割引価格で買うことができる。お気に入りの店舗を登録して、「レスキュー依頼」を受け取ることもできるのだという。すぐに食べるのであれば、ちょっとお得に購入できて、食品ロスも減らせる、すてきな試みではないだろうか。

 この発想は、クリスマスに限定する必要はない。スーパーで、割引シールの貼られた食品を手に取ったり、「てまえどり」をすることからはじめるのをお勧めしたい。「てまえどり」というのは、「商品棚の手前にある商品を積極的に選ぶ」という簡単なものだ。2018年10月に最初のキャンペーンがおこなわれ、2022年には新語・流行語大賞のトップ10にも選出されたが、まだまだ定着していない。まずは身近なところから、「MOTTAINAI」をはじめてみたい。

《執筆 ヒメ》


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