#067 ファッション その1(2024年5月4日)

【つぶやき】

ファッションは自己表現ともいわれるが、「自分らしく」というのがなかなか難しい。

好みや体形は人それぞれで、雑誌やネットの情報をそっくりそのまま再現したところで、
満足いかないことも多い。

さらには「年相応」といった、目には見えない規範も存在し...

【コメント】

 インターネット通販等で、低価格でデザイン性の高い商品が大量に流通しているだけでなく、メルカリやリサイクルショップなど、安価に洋服を購入する手段は増えている。物価高の影響もあり、ファッションの中古市場は活況を呈しているようだ。そんななか自己表現の手段のひとつとして、ファッションを楽しんでいるひともいれば、洋服や小物を選んで購入したり組み合わせたりすることが面倒だ、と感じるひともいるだろう。ショッピングの回(2024/2/4)でも紹介したように、モノを選ぶこと自体がストレスになるという意見もある。

 これまでファッション誌等で展開されていた「着回し特集」は、毎シーズンたくさんのアイテムを買いたいところを(おそらく)ぐっとこらえて、限られたモノをうまく組み合わせて、おしゃれに着こなすことに重点が置かれていた。ところが最近では、「制服化」を唱えるスタイリストも出てきている。制服化は「同じ服しか着てはいけない」というのではなく、自分の気に入ったものを厳選して、自分の定番として着ることを指しているようだ。そこでは自分の好みを徹底的に掘り下げ、自分の目指す人間像を突き詰めていくことで、「自分のファッションとは何か」という問いに対して答えが導き出せるらしい。個人的には「ミニマリスト」や「断捨離」の思想と似たところがあると感じるほどで、それぐらいファッションにまつわるアレコレは、一筋縄ではないかないのだ。

 そのような苦闘を経て「自分の着たい服」が見えてきたところで現れるのが、ファッションにまつわる「年相応」といった規範だ。〇歳代にはこのファッションがふさわしい、〇歳でこのブランドは…といった、世の中のご意見があるらしい。ビジネスウェアやネクタイへの支出が減少するほど、クールビズは浸透したが、不文律に従わないファッションに対してはまだまだ風当たりが強い。
先日、あるファッションインフルエンサーのかたが、「おしゃれに年齢は関係ない」といった意見をSNSで発信し、多くの人の支持を得ていたが、わざわざそのように言わないといけないほど、年齢とファッションは強く結びついたままのようだ。自己表現だからこそ「規範に従わない=社会に反抗している」になるのだとすれば、社会にNOを伝える手段としてファッションをもっと使っていくのもアリかもしれない。

《執筆:ヒメ》


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