#069 ファッション その3(2024年5月24日)

【つぶやき】

服装自由な時代にあって、レジャーファッションのTPOはいかに?

服装主導で若い女性を山登りにいざなった「山ガール」ファッションは、山を華やかにした。

「制服ディズニー」など女子高生から始まった、ペアやグループでお揃いを着るディズニーファッションは、自分たちの一体感を盛り上げる最強の演出だ 集いの場では、堅苦しいドレスコードはいらない。

しかし、ちょっとしたルールを決めて、カラーや小物を工夫する遊び心が欲しい。大人の遊びのドレスコードだ。

【コメント】

 自由な余暇時間こそ、ファッションは自分なりに選んだ服を着たい。とはいっても、昔から服装は、「TPOをわきまえよ」と言われてきた。T=TIME(時) P=PLACE(場所) O=OCCASION(場合)である。とりわけ、プレゼンや商談などのビジネスシーンや冠婚葬祭では、相手に失礼にならない、場に相応しい服装を身に着けるであろう。

 当然、余暇シーンにおいても、そうした場の雰囲気を読む服装はあろう。例えば、居酒屋と高級フレンチ店では、食事スタイルも服装も異なる。おしゃれに無頓着な人でも、居酒屋にはTシャツと短パンで行くことはあっても、高級フレンチ店にはそんな服装ではいかない。野外のロックフェスと室内のクラシックのコンサートでも服装は異なる。自分ではおしゃれのつもりでも、山登りにヒールやキャンプでの貴金属アクセサリーは場違いだろう。
 ファッションは単に自己表現であるだけではなく、その場をお互いが気持ちよく、楽しく過ごせるよう、皆で雰囲気をつくっていくアイテムともいえる。

 ファッションは、余暇のブームをもつくる。
 最近ではすっかり定着した「山ガール」ファッション。2010年頃から、女性の間でのアウトドア志向とファッション性がマッチして、「山スカート」の売れ行きが急速に伸びた。
 おしゃれなファッションにより、まちを飛び出し、自然に向かう若い女性が増え、山に癒しやストレス解消を求めるようになっていった。重いリュックを背負って本格的登山に向かうというよりは、軽めのトレッキングやハイキングで、健康的に森林浴を楽しみ、爽快な達成感を味わう。
 山ガールスタイルは女性らしいファッションではあるが、耐久性、保温性、稼働性など機能的にも優れている。スパッツやカラータイツとも相性がいいので、自分なりのおしゃれな組み合わせを楽しむことができる。登場当初、無骨な男性の登山者たちからは、違和感を指摘する声も多かったようだが、今ではスポーツ着同様、まち着としても抵抗感なく広がっている。

 ファッションは、「つながり」を視覚的に演出する。
 テーマパークは非日常の世界であるからなのか、人目を気にすることなく、キャラクターコーデやパークグッズコーデを身に着け楽しんでいる。筆者はディズニーランドのある駅を通過して通勤しているのだが、そのとき目にする光景には、日々驚かされる。キャラクターグッズで身を固めたり、仲間や家族でお揃いコーデを着る。「制服ディズニー」や「双子コーデ」など、このテーマパークから生まれたファッションも多い。自分たちの世界に入り込んでいるようなその姿は,はたから見ているとちょっと恥ずかしくなるときもあるが、一緒に参加するものの一体感、つながり意識、思い出づくり、写真映えには欠かせないのだろう。制服とテーマパークという一見ミスマッチな組み合わせは、今や運営企業のCMにも登場する公認ファッションとなり、外国人も彼女たちにしきりにカメラを向ける。

 最後に余暇の集いを盛り上げるファッションについてひとこと。
 仲間が集まる場やパーティがあるときは、その「つどい」にテーマを掲げて、カラーを決めるといい。わかりやすいのは、クリスマスパーティのときに、赤と緑を必ずどこかに身に着けてくるといったような簡単なルールだ。服でも小物でも靴でもOK。それぞれの人の個性や遊び心が現れて面白い。でも、決して仮装にはならないように。

《執筆:マダム》


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