【つぶやき】
おとなになると、教えたり伝えることが増え、教わる機会は少なくなっていく。
しかし、新しいことを知る喜びや、今まで触れてこなかったものができるようになることで得られる達成感は健在だ。
たとえば、ラジオの外国語の講座に取り組んだり、カルチャーセンターなどに通っているひともいるのではないだろうか。
子どものころのように強制されるものではなく、自分の意志で選んだものだからこそ、積極的に楽しめるのかもしれない。
【コメント】
最近の小学生の習い事で人気なものは、水泳や英会話、ピアノなどであり、とくに実技系の習い事の人気が高まっているようだ(ベネッセ教育情報 https://benesse.jp/kosodate/202403/20240329-1.html)。子ども自身の希望であったり、「周りの友達がみんな習っているから」という理由など、きっかけはさまざまだと思うが、「学校で困らないように」との親の事情も見え隠れしている。月謝などやはり費用がかかるため、経済的な状況によって習い事が難しく「体験格差」が生まれていることも、近年は多く指摘されている。
一方、カルチャーセンターや地域の公民館等でおこなわれている、おとなの向けの講座もある。学習系のものや、伝統文化に慣れ親しむもの、さらにスポーツなど多種多様だ。高校までの部活動とは異なるフラットな関係で、勝利のためにというよりは楽しみのために、趣味としてこれまでに打ち込んできた種目に取り組むひともいるらしい。また比較的手軽にはじめられるものとして、ラジオやテレビの放送を使用するものがある。先日立ち寄った駅の書店の入り口に、ピアノのテキストが山積みになっていた。ピアノの本がベストセラーとは?と疑問に思いよく見てみると、Eテレのおとな向け講座の副読本で、3か月で有名な曲をマスターするものだという。
メディアを活用した講座は、教室に通わなくてすむのが大きなメリットだ。さらに、自宅や外出先で好きな時間におこなうことができる。たとえば、ラジオの英会話番組は、以前までは放送時間(本放送・再放送)にあわせてラジオをつける必要があったが、今やインターネットで聞き逃し配信もされているため、高価な機器を購入してわざわざ録音しなくとも、指定期間内であれば何度でも繰り返し聞くことができる。子どもの習い事であれば、「やりなさい!」とときには強制されながら、嫌々続けることもあるかもしれない。おとなの習い事はあくまでも自分の意志で、限られた時間や費用をやりくりしながら取り組んでいく。その分、子どものころとは異なる継続の難しさが生まれてくるかもしれないが、新しいことを学ぶ楽しみに年齢は関係ないはずだ。
《執筆:ヒメ》