#081 ペット その3(2024年9月24日)

【つぶやき】

ペットは、かわいく癒してくれる存在であるとともに、飼う以上「お世話」をしなければならない。

飽きたから、面倒を見きれないから、そういった理由でペットを手放す人もいるが、それはペットに対して都合のよい関係を求めた結果ではないだろうか。

ペットとともに暮らすことには、大きな責任も伴うことを覚えておきたい。

【コメント】

 今回のつぶやきトップバッターのジイから、愛猫のお写真をいただいた。すいぶんとかわいらしく、これはイタズラをしても叱るどころか笑顔になってしまうな、と感じた。私自身はペットと縁のない生活で、今回のように「よその子」のベストショットやムービーをおすそわけしてもらい、一方的に愛でるばかりである。

 どのようなペットを飼っている人が多いのか確認してみたところ、博報堂の生活総研の調査に行きあたった。そこではペットを飼っているひとの割合が38.0%(2022年)とあり、主なペットとして、犬、猫、金魚・熱帯魚、亀、小鳥、ハムスター・モルモットなどが挙げられていた。お祭りですくってきた金魚も「ペット」だとすれば、お世話をしたことがあるのを思い出した。たしか、夏祭りで一匹もすくえず「参加賞」としてもらった金魚で、小魚のようなかたちに成長し、果たしてこれは金魚なのだろうか、と思っていた。魚は散歩やトリミングが必要ないかわりに、水質の管理や水槽の掃除が大変だったような気もするが、もしかすると小学校の教室で飼っていたメダカやザリガニの話かもしれない。ともかく、一から十まできちんとペットのお世話をするというのは、非常に難しいことで、ひとりでは十分にできなかったように思う。そのあとはペットと縁遠い暮らしである。

 同調査で「ペットも家族の一員だと思う」と回答したひとは58.3%で、人生を共に歩む存在として大きな位置を占めていることがわかる。ところが、ペットに対して都合のよい関係だけを求めて、お世話ができなくなったといって無責任に手放すようなひともいるという。また、高値で売られるために無理やり繁殖させられ、病気やケガになりやすいペットの存在も指摘されている。人間の欲のためにペットが犠牲になっているかたちだ。

 最近知られるようになってきた考え方として「アニマルウェルフェア(動物福祉)」がある。日本で手に入る情報としては、牛や豚、鳥といった畜産業についてのものが多くなっているが、ペットや実験動物も対象になるという。彼らの生活環境を整え、ストレスが少なく、健康を損なわないかたちで飼育しなければならない、ということだ。ペットと家族となり、親しい関係を築いているひとには当たり前のことだと思うが、動物の「かわいい部分だけを楽しみたい」ひとにはぜひ知ってもらいたい概念である。ペットはアクセサリーのように取り換えられるものではなく、ひとつひとつ尊い命とともに暮らすのだという覚悟をもって迎えてもらいたい。

《執筆:ヒメ》


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