#005 レジャーとライセンスは同じ語源(2021年12月14日)

【つぶやき】

「レジャー」というのは英語から来た外来語、
英語の leisure のもとをたずねると、
フランス語の loisir(ロアジール)がなまったものだという。
(英語にはフランス語からたくさんの言葉が入っています)。
さらにその大本を調べてみるとラテン語の licere(リケーレ)に行きつく。
そしてリケーレとは「許す」という意味なのだ。

ところで「ライセンス」という言葉がある。
免許とか資格と許可証とかいう意味だ。
英語で書けば license
これも大本はラテン語の licere から来ている。
(綴りを見ればよく似ています)。

レジャーとライセンスは遠い昔は同じ言葉。
「余暇」と「資格」は親戚なのだ。

【解説】

 言葉の由来というのは調べて見るとなかなか面白い。その語の持っている深い意味が明らかになったりもする。レジャーとライセンスが同源であることも、レジャーというものの性質をよく表している。

 ライセンスがラテン語の「許す」から来ていることは誰でも納得できる。ライセンスとは、何かを行うことを公に許可されているということに他ならない。車を運転するには公安委員会の許可がいるし、専門職に就くには、その筋の公的機関が発行する免許証や資格証を持っていなければ雇ってもらえない。現代社会は多種多様なライセンスが絡み合うリケーレの世界にほかならない。

 ライセンスは分かりやすいが、レジャーと許可というのは、どうつながって来るのか、すぐにはピンとこないかもしれない。これを理解するには、現代人は基本的にみな自由人だが、昔の人はそうではなかったという事情を考えてみる必要がある。
フランス革命が人々を縛り付けていた旧体制を倒して「人はみな自由だ!」と宣言するまでは、人は必ず誰か上の身分の人、主人や領主や王様に属していたのだ。王様だって「神」という至高の存在に縛られていたので、誰にも属さない風来坊は、まともな人間とはみなされていなかった。

 レジャーというのは言うまでもなく「自由な時間」である。誰かに属している人間が自由なレジャーを得るためには、自分の主人からの「許可」が必要だった。レジャーとは「許された」自由時間であり、その点でまさしくライセンスに他ならなかった。
ご主人様から許されていただいた貴重な自由時間は、さぞありがたいものと感じられたであろう。現代人だとて、四六時中自由に生きているわけではなく、勤めもあればさまざまな社会的な義務もたくさんしょい込んでいる。そういうもろもろも拘束から解放されるのがレジャーの存在価値である。
多くの勤め人は週末に仕事を終えた時、得も言われぬ楽しい気分になって心が浮き立つものだが、あれこそまさしく「許されたレジャー」の味わいだといえよう。

 その昔、丁稚奉公の小僧やお屋敷勤めの娘たちは、お正月とお盆、年に2回の「藪入り」にしか家に帰ることができなかった。彼らにとってその時の解放感はいかばかり大きかったことだろう。
当時、役人たちの休暇は「賜暇」と呼ばれていたが、これも役所から暇を賜る=いただくという感覚で、誰にとっても自由な余暇は貴重なプレゼントだったのである。

 自由な現代人にとっての余暇は、自らに許可する自由時間である。
自分が許可する以上、誰に遠慮する必要はない。
もっと大胆に、一人一人の個性や趣味のままに自由にレジャーを楽しめる文化を育てていかなくてはならない。

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