じい・マダム・ヒメによるリレーエッセイ

「つぶやき余暇」

毎月4のつく日は”よっかネタ”配信日!
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毎月ひとつのテーマを、世代の異なる3人の余暇研究者が執筆します。
じい(薗田碩哉)・マダム(辰巳厚子)・ヒメ(青野桃子)

#012 わが国最初の余暇の本(2022年2月24日)

Posted by admin|  Posted on 2022/02/24 18:00

日本で最初に余暇をテーマにして書かれた本をご存じだろうか。 それも今日や昨日ではない、遠い昔の鎌倉―室町時代、 当時の知識人が書き残した「余暇」の本、 あなたはその本の名が思い浮かぶだろうか。 答えを言おう、 それは吉田兼好の『徒然草』―つれづれ草、 つれづれなるままに...で始まるあの本だ。 『徒然草』が何故に余暇の本か、 それはこの著者が「暇で退屈している」ことを大切な拠り所として この本を書いているからである。

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#011 江戸時代には過労死はなかった(2022年2月14日)

Posted by admin|  Posted on 2022/02/14 18:00

日本人の「過労死」はつとに世界的に有名で 働き過ぎて死ぬ人が後を絶たない。 KAROSHIという用語は英語の辞書にも登録されている。 (2002年 オックスフォード英語辞典に載ったのが最初) でも、日本人はもともとそんなに「働き過ぎ」ではなかった。 それは近代以後、特に大正期辺りから今日まで続く習慣(というより悪習)で たかだか100年ぐらいの「伝統」に過ぎない。 それも「過労死」となると、バブルがはじけて 失われた10年、20年と言われた平成期に目立ってきた現象だ。 そこで少しばかり歴史を巻き戻してみよう。 かの江戸時代に「過労」で死んだ人がいたのだろうか。 徳川300年の泰平の時代、貧しくとも平和な時代に 人々はもっとのどかな働き方をしていたように思われる。

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#010 日本人は世界一の余暇貧乏(2022年2月4日)

Posted by admin|  Posted on 2022/02/04 18:00

日本は「お金持ち」の大国である。 経済の規模で言えばアメリカ、中国に次いで世界第3位。 一人当たり国民総所得でも、大国ではアメリカ、ドイツ、オーストラリアなどと肩をならべ、日本は「お金持ち」の大国である。 経済の規模で言えばアメリカ、中国に次いで世界第3位。 一人当たり国民総所得でも、大国ではアメリカ、ドイツ、オーストラリアなどと肩をならべ、 1人38,000ドルで、中国の8,700ドル、エジプトの3,000ドルのはるか上を行く。 (因みにアフリカのコンゴ民主国は460ドルしかない、このおそるべき格差。) だが、目をお金の豊かさから「時間の豊かさ」に移してみると、 何とも情けないビンボー国であることが見えてしまう。 そもそも労働時間が長く、大国の中では断トツの労働大国である。 残業は野放しで、「過労死」する人が後を絶たない。 週休2日制は発展途上、長期休暇に至っては、 欧米の半分にも届かない最貧国を誇って?いる。 どうしてこんなんことになったのだろう。

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#009 仕事が先か余暇が先か(2022年1月24日)

Posted by admin|  Posted on 2022/01/24 18:00

世間の常識からいうと、 余暇というのは仕事が終わった後の余りのヒマということになっている。 つまりは仕事がまずあって、その後に余暇がついてくる。 仕事が主人で、余暇はそれに付き従う従者、あるいは僕(しもべ)だということになる。 しかし、すべてのことがらは逆の見方があるはずだ。 余暇がまずあって、余暇を終えたその後に仕事をする、 つまりは余暇が主人で、仕事が従者という見方だってできなくはない。 これは荒唐無稽(こうとうむけい。デタラメを難しく言うとこうなる。)な話だろうか。

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#008 小人閑居して不善をなす(2022年1月14日)

Posted by admin|  Posted on 2022/01/14 18:00

余暇についてよく言われる格言に 「小人閑居して不善をなす」というのがある。 ここで「小人」というのは古代中国のもの言いで、 教養ある「君子」に対して学問も礼儀も知らない庶民のこと。 つまり、教養人は別として、つまらない人間が暇を与えられると ロクでもないことをしでかす、という意味である。 出典は儒教の経典の1つである「礼記(らいき)」の「大学」篇で、 日本でも昔からよく引用されてきた。 「小人閑居為不善」は、余暇を撲滅するスローガンとしてもてはやされた。 余暇なるものは、確かな見識のある人に与えられるならよろしいが、 無教養の庶民を暇にすると、酒を飲んだり博打をしたり、悪に走るのが関の山。 庶民には暇を与えず、できる限り働かせるのがいちばん、 それが本人のためにも世の中のためにもよろしいということだ。

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