#016 長屋の花見を取り戻そう(2022年4月4日)
Posted by | Posted on 2022/04/04 18:00
東京の周辺はいまや桜の満開の時期、 上野公園、千鳥ヶ淵、隅田川の河畔など桜の名所は 多くの花見客であふれている。 とはいえ、執拗に続くコロナ禍のもとでは、 かつてはどこの桜の下でも常態だった飲めや歌えのどんちゃん騒ぎは影を潜め、 ビニールシートを広げ輪になって座っているグループはそこここにいるものの 至っておしとやかに、缶ビールをつつましく飲んでいるだけだ。 それでもやはり春は花見である。 連句の世界では、花と言えば桜に限るという約束があり、 花びら、花房、花の香、花筏、花明り、花の雲… これがみんな桜のそれぞれを意味している。 桜は余暇のシンボルである。 春の青空をバックにあでやかに咲き誇る桜は、 眺める人々のこころを癒し、友との交わりを祝福し、 自由にのんびりと酒を飲み、手作り料理を味わい、 平和と交流の喜びを与えてくれる最高級の余暇である。